Third Wave Coffee Culture
Coffee is simple.
コーヒーは、単純だ。シンプルだ。
エスプレッソコーヒーは3つの材料に括ることができます。エスプレッソ、スチームドミルク、そして泡です。コーヒーショップでバリスタとしての研修をはじめたときは、まずこれにびっくりしました。コーヒーの世界というと、気が遠くなるほど敷居が高いものだというイメージが先行していたからです。知らない専門用語が飛び交い、そのカフェ独自の言語体系がある。そんな世界だと思っていました。
コーヒーのシンプルさに驚いた日から数年の月日が経ち、その間にオーストラリアと日本でバリスタとしての経験を積みました。そう、私は大のコーヒー好きなのです。最近、コーヒーについて調べていく中で「サードウェーブコーヒー」について綴ってある記事に出会ったので、ここで少しだけそのお話をさせて頂ければと思います。
(Single) Origins
歴史的背景について
サードウェーブコーヒーの世界に深く潜り込む前に、これまでの歴史的背景に少し触れさせて頂きます。コーヒーの第一の波、ファーストウェーブはインスタントコーヒーの登場と共に現れました。今ではスーパーやコンビニで買える気軽なコーヒーも、ファーストウェーブに起源を辿ることができます。忙しい人の気分をブーストさせる効果は抜群でしたが、じっくりと味わう飲み物とは程遠い印象がありました。ファーストウェーブコーヒーは安くて、簡単にいつでも飲むことができることに最大の特徴がありました。
1960年代、コーヒーに第二の波が生まれました。人々が、今まで以上に美味しいコーヒーを手軽に求めるようになったのです。スターバックスのような大手チェーンが頭角を現し、小さなカフェからヒントを得た職人技による焙煎や調製を取り入れるようになりました。セカンドウェーブは、コーヒーという現代社会における人々の必需品をラグジュリアスな仕様にアップグレードしたのです。
そして、サードウェーブへ。コーヒーの見た目に対しての美的意識が考慮されるようになりました。バリスタがラテアート等に凝るようになったのも、この時期からだと言われています。そして、第三の波を支える最大の要因だと言われているのが。人々の消費者としての意識の変化です。消費者として、コーヒーが生産されるまでの過程に今まで以上に注目するようになったのです。サステイナブルな流れの中で焙煎されたコーヒーなのか。この点が味と並んで重要なエッセンスとなってきました。
Crop to Cup
農場からコーヒーカップまで
サードウェーブコーヒーにおける3つのキーワードは「直接的な貿易」「流通ルートの透明化」そして「倫理的な実践」です。
直接的な貿易
直接的な貿易とは、バリスタが豆の生産者から直接購入して焙煎する流れを指します。質の良い豆と腕のあるバリスタにお金が流れるという点が、中間業者をなくすことによる最大の利点でしょう。世界中にいるコーヒー農家の方々と直接つながり、密接な関係を築くことで、生産方法においてもあらゆる選択肢にひらかれます。また、長いサプライチェーンから開放され、生産から消費までにかかる二酸化炭素の量も減らすことができるのも直接的な貿易のメリットです。
流通ルートの透明化
直接的な貿易によって、流通ルートの透明化が現実となりました。自分が買おうとしているコーヒーが今どこにあって、どのように輸送されているか等についてのプロセスがより明確にわかる時代となったのです。「直接的な貿易のおかげて、私たち(バリスタ)は、お客様にコーヒーが出来上がるまでの工程を一つひとつお教えすることが可能となりました。」と語るのはワールドブリュワーズカップの2016年チャンピオン粕谷哲氏。コーヒーショップがSNS等で自分たちが扱っている豆について、その生産者や焙煎方法等の情報を含め発信することによって、消費者は自分が飲んでいるコーヒーをより身近に感じることができるのです。
環境のための実践
サードウェーブコーヒーの文化では、直接的な貿易によって持続可能性が担保され、生産から消費の間で発生する二酸化炭素の量も減らすことができ、お気に入りの焙煎舎からコーヒーを買うことができます。また、再利用カップ等を使うことによってより一層環境に優しい取り組みがなされるようになっています。
倫理的な行い
倫理的な取り組みは、サードウェーブコーヒーにおける大事な価値です。良いコーヒーをつくるためには、サプライチェーンのすべての段階で関わる人々が共存して、助け合う必要があります。そのためにも、供給連鎖の最後に位置するカフェが責任を持って、全工程で関わる人がフェアに扱われていることを確かめなければいけません。コーヒーを生産する農家から、コーヒーを淹れるバリスタまで、全員にしっかりとお金が払われている状況を作らなければいけません。
How can you keep up
KeepCup。歴史の一部を手にとってみよう。
コーヒーにおける第三の波の到来によって、人々は消費者としての体験により着目するようになりました。「コーヒーを飲む」という体験の中で、見落とされがちな点が「どんなカップで飲むか」という要素です。今では、スペシャルティコーヒーショップなどに出向くと、壁一面の棚にマイカップがディスプレイされていることも稀ではありません。サステイナビリティの観点からも、マイカップはサードウェーブコーヒー文化における重要な役割を果たしていると言えます。そんなマイカップの草分け的存在として顕著な存在を現しているのがオーストラリア・メルボルン発祥のKeepCup。単に環境に優しいからという理由だけではなく、そのデザインに惹かれて世界中で人気に火がつきました。そんなKeepCupが日本で発売されるようになりました。私たちLess Plasticは、KeepCupのデザインセンスと、それによる世界中の人々の行動を変革する力に期待し、KeepCupの販売を日本で始めました。こちらから、あらゆるカラーやデザインのKeepCupをチェックしてみてください。エコフレンドリーでサードウェーブなコーヒー体験をお楽しみ頂けることを心から望んでおります。